北海道唯一の農業系短期大学としてその存在意義を高め、
北の大地において実践教育・全人教育を
さらに推進してまいります

拓殖大学北海道短期大学 学長 田中英彦

本学が1966年(昭和41年)深川市納内地区で呱々の声をあげてから、57年が過ぎました。その間本学を取り巻く環境は大きく変化し、とくに近年においては少子化と地方都市における人口減少を背景に、苦難に満ちた道のりを歩んでいると言えます。しかし、平坦ではない道程だからこそ、北海道唯一の農業系短期大学として北の大地にしっかりと根づいていく必要があると自負しています。
本学の最大の特色は、創立間もなくの1969年(昭和44年)から「農業」「経済」「幼児教育」の3本柱で教育体系が形成されてきたことです。この間、本学は13,000人を超える卒業生を送り出し、その多くが地域のリーダーとして活躍されています。地方における短期大学という見方によれば脆弱な存在が、時代の流れに翻弄されながらも57年間持続できている根拠は、実践教育と全人教育を基盤とした独自性豊かな教育体系にあると思います。
1992年(平成4年)には、キャンパスが納内地区から現在のメム地区に移転しましたが、約16万平方メートルに及ぶ新キャンパスへの移転は、本学の魅力をさらに増進させました。JR北海道の特急列車が停まる深川駅近くに位置する自然環境に恵まれた敷地は、北海道内でも一等地といっても過言ではない地力豊かな土壌を有し、農業実験・実習には最適です。移転に深く関わった椋木瑳磨太学校法人拓殖大学元理事長は、移転に当たって詠んだ『きらら賛歌』(顕彰碑)の中で、「かつて桂太郎はこの山河に/その雄々しき志を託せり/いままた吾らも貴き熱き祈りをこの天地に捧ぐ/深川は日本と世界への発信基地たるべし/深川に秘めたる光あり/大自然の恵澤と人の叡知と相結びて/その潜在力を発揮せん」と詠っています。本学が現在満喫している環境は、まさしく120年の歴史を有する拓殖大学の建学精神を十全に継承していると言えるでしょう。
「学校法人拓殖大学中長期計画【教育ルネサンス2030】」の策定に当たり、本学は設置校の一つとして、以下に示すように、時代の要請に応えながら「教育の質保証」を推進し「拓殖人材育成」の一翼を担ってまいります。その際、本学は「学園共同体」の一員として、拓殖大学、拓殖大学第一高等学校との連携をさらに強化してまいります。本計画に掲げた基本戦略、個別計画、実行計画の着実な実施に向けて、本学の教職員は一丸となって全力で取り組みます。