「拓殖人材」育成のために、
「専門性」「国際性」「人間性」という3つの素養を
バランス良く学べる環境を整えて参ります。

拓殖大学 学長 鈴木昭一

拓殖大学は、『教育ルネサンス2020』グランドデザインを発展的に継承する形で中長期計画『教育ルネサンス2030』を策定し、展開して参ります。私たち人類を取り巻く環境は益々その変化の度合いとスピードを増しています。これからは、主体的・自立的に未来を切り拓いていくことのできる能力が個々人に求められることになるでしょう。本学はこうした認識に立ち、建学の理念における人材育成に通底する素養から「専門性」「国際性」「人間性」を再確認し、こうした素養を具えた人材を「拓殖人材」と称して、育成すべき人材像として掲げています。「拓殖人材」の育成のために、「専門性」「国際性」「人間性」の3つの素養をバランス良く養うには何が必要であるかを検討しました。それぞれの素養には本学が提供する教育すべてが関わりますが、特に関連性の強いものと結び付けて整理しました。
「専門性」の観点では、正課教育(授業)が基本です。各学部に設置する順次性と体系性を備えた授業科目を履修することにより高度な専門性が養われなければなりません。『教育ルネサンス2030』において特筆すべきはSDGsの導入です。SDGsが掲げる理念は本学の建学の理念と相通ずるものがあり、SDGsの提起する諸課題は人類にとっての最重要課題といえます。各学部の専門科目や主体的学びの中心となるゼミナールでは、積極的にSDGsをテーマとして取り入れた教育が展開されます。
「国際性」の観点では、国際大学のパイオニアとしての存在意義を今後もさらに強化する狙いがあります。真の国際性とは何かという観点から、国境を越えて多様な価値観を受容し、高度なコミュニケーション能力の育成を目指します。
「人間性」の観点では、自らが主体的に行動できると同時に、他者と協働して物事に携わることができる様々な場面を学生達に提供することが大切であると考えました。授業だけでなく課外活動等の場も重要な教育の場と捉えています。
これら3つの素養は独立しているのではなく、それぞれが密接に関連しています。「専門性」を養う学びの領域はもはや「国際性」豊かであるし、部・サークル活動、ボランティア活動、地域貢献といった課外活動も同様です。外国人留学生教育に伝統と実績を誇る本学には多様な価値観・文化を背景にもつ外国人留学生が日常的に学んでいます。授業や課外活動の場において学生間で多くの交流が生まれる環境は、「人間性」の涵養に大きな役割を果たすはずです。
本学はこの『教育ルネサンス2030』を学内外に示し、学内では役員・教職員間で共有し目標達成に向けて一丸となって取り組む環境を整え、さらに本学を取り巻くステークホルダーそして社会に知らしめることで教育研究機関としての社会的使命を果たさんとする確固たる決意を表すものです。本学教職員一同は、『教育ルネサンス2030』の実現に向けて着実に歩んで行きます。