改革改善の取組

Improvement Reform

  • 実践教育

2024.6.26

実践的な職業教育の充実
-経済データ分析AⅠ-

科 目 名:経済データ分析AⅠ
テ ー マ:「世界の食料需給と将来見通し」
実 施 日:2024年6月12日(水)
担当教員:政経学部准教授 伊藤 紀子
講  師:古橋 元(放送大学 教授)

活動内容:
古橋氏の講演では、現在における世界の食料需給および動向を確認しつつ、食料需給(表)における基本的な統計の知識を身につけ、世界の食料需給見通しについてデータを確認しながら解説いただいた。まず農林水産省の「食料需給表」のデータを開き、日本人が平均的に消費している食料の詳細、コメ離れやコムギの消費増加の現状の理解を深めた。その後、直近の世界の食料需給の動向の資料をみながら、世界全体の穀物需給・貿易や人口の動向を把握し、食料問題に関する図表やデータの読み方を解説いただいた。グラフから需要量は伸び続け、生産量の伸びが不安定であること、アジアにおける肉食の増加と穀物消費増加など、世界の食料ひっ迫の背景が把握できた。北米ではバイオ燃料の利用の普及・バイオエタノール政策により、トウモロコシの需要が特に増加していることが紹介された。トウモロコシの単収は米国で極めて大きく、米国、ブラジル、ウクライナなどの輸出・輸入拡大の流れを解説いただいた。大豆の生産国・輸出国の集中と拡大やブラジルの台頭、EUや中国における小麦の単収の高さ、輸出におけるロシアの台頭、東南アジアの輸入の増加が指摘された。コメについてはインドの輸出が拡大しており、中国の単収が高く、アフリカのコメ輸入が急増している。中国は大量の肉を輸入するようになり、ロシア・ウクライナの穀物や油の輸出拡大が続いている。このように、世界の食料需給や価格の現状、ポイント、政策的背景が、豊富な情報に基づき詳細に紹介された。

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