改革改善の取組

Improvement Reform

  • 実践教育

2025.11.4

実践的な職業教育の充実
―流通総論A/流通総論Ⅰ―

科 目 名:流通総論A/Ⅰ
テ ー マ:グローバル市場における流通チャネル開拓(販路開拓)の実際
実 施 日:2025年7月2日(水)
担当教員:商学部教授 河内 俊樹
講  師:鈴木 雅緒司 氏(人間総合科学大学 人間科学部ヘルスフードサイエンス学科 非常勤講師)

活動内容:
商学部で開講されている「流通総論A/Ⅰ」において、長年、花王株式会社に勤めておられた鈴木雅緒司 氏に、「グローバル市場における流通チャネル開拓(販路開拓)の実際」についてご講演いただきました。

鈴木氏は、ベトナム市場で、「アタック」ブランドの育成と売上増加に着手されていました。ベトナム市場では、日本の大手流通業者が進出しているとは言うものの、暮らしに根ざした「ウェット・マーケット」が大半を占めており、小売業の近代化が進んでいない地域が多く残されています。そのような状況であることから、製造業者として立案した販売戦略や営業戦略について小売業者まで浸透していることが少なく、買い物の現場である店頭が“荒れている(売り場管理が行き届いていない)”小売店も多く存在しています。また、ベトナムは、先行上市していたイギリス企業の「ユニリーバ」製品が多く流通し、圧倒的なシェアを取っている状況でもありました。

講演では、そのような状況を改善して、お客様が「アタック」を買いたくなる環境(常設陳列の売り場作り)を実現するために、小売業者に商品を納入する卸売業者との協働体制の構築や、小売店の売り場管理を実現するための取組みと工夫について、大変なご苦労話を交えながらご披露いただきました。

受講した学生からは、「卸売業者を味方につけて、小売業者を巻き込むための施策や説得していくための方法が興味深かった」、「リサーチを実施してパレートの法則を見つけ出すことで、重点的な商談先を“選択と集中”したことで勝算を導いた点が面白かった」、「小売店に対して、販売方法やセルアウトの手法を実践的に理解させたことがポイントだと思った。現場指導が大切なのだとわかった」、といった意見が寄せられました。

製造業者のお客様となる卸売業者と小売業者を笑顔にさせることに成功した営業戦略は、「流通」のみならず「ビジネス・マーケティング」の観点からも、大変興味深い取組み内容だと感じました。

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