改革改善の取組

Improvement Reform

  • 実践教育

2022.12.7

実践的な職業教育の充実
-キャリアガイダンス・キャリアデザイン-

科 目 名:キャリアガイダンス・キャリアデザイン
テ ー マ:スペインオリーブオイル業界でマサルといえば私です―37年前の自分に言いたいこと―
実 施 日:2022年11月25日(金)
担当教員:外国語学部教授 佐野正俊、近藤真宣、安富雄平
講  師:乗附 勝氏(Spain Japan Market S.L.代表)
活動内容:
Spain Japan Market S.L. のマドリードオフィスと八王子国際キャンパスA館512教室とをzoomで結んで、乗附 勝(のつけ まさる)さん(本学スペイン語学科卒(89期))の講演を実施しました。現在スペイン食品関係輸出入業界で活躍する乗附さんは、「37年前の自分に言いたいこと」 と題して、拓大生時代から現在に至る自身の経歴をたどりつつ、若いからできることと、今に至って分かったことなどについて、具体的なエピソードを交えて話してくれました。

乗附さんは拓大卒業後、日本のベアリング会社に入社し、サラマンカ工場に赴任、やがてアンダルシア地方に工場を構える日本の自動車メーカー(スズキ現地法人)に転職、スズキがスペインから撤退した後は、自身で会社を設立し、スペインの手工芸品の輸入販売や、オビエドのトンネル工事での日本製シールド掘進機導入やスペインの新聞社への印刷機の輸出などに関わりつつ、自分が興味を持って働ける分野として食料品の貿易に着目、スペインの販売者と日本の購入者との間をつなぐバイヤーとして成功し、現在に至ります。ここ30年ほどの間に日本でのオリーブオイルの消費量が10倍以上に拡大したことも追い風となりました。イオンのトップバリュー、キッコーマンのエキストラバージンオイル、coopのオリーブオイルなどは乗附さんが手がけた、品質の優れたオリーブオイルです。日本ではオリーブオイルの品質に関する基準がなく、酸化していたり、発酵臭があったり、地面に落ちたオリーブが混入した土臭いものなども値段が安いと言うだけで輸入されて「スペイン産エキストラバージンオリーブオイル」としてディスカウントショップなどに並んでいるそうです。

様々なエピソードを紹介しながら、乗附さんは、今の拓大生に伝えたいこととして、①日本の社会をしっかりと見ること、②仕事に使える確実なスペイン語(外国語)の運用力を身に付けること、③外国語を使う上で一番大切なことは日本語(母語)の読解力であること、④「こうなりたい」と思ったら、その逆の「こうはなりたくない」ということをイメージして、そうならないようにすることで、自分の目指す方向に進めるということなどを挙げました。

「勉強・部活・バイト、何でもよいので、今しかできないことに熱心に取り組み、それに打ち込んでください。卒業して37年たってもそのことは覚えているのです。それは、無駄になってないということですよ」と述べた乗附さんは、しかし、それでも若いうちだからできること、自分の望むことに積極的に飛び込んでいかないと、未来は開けない(今だったらもうやらないけどね)、と講演を締めくくりました。最後に、受講学生との間で、質疑応答や感想、コメントが交わされました。 

この記事をシェアする