現在, 本学が進めている教育改革である「教育ルネサンス2030」と方向性が合致するSDGs(持続可能な開発目標)について、商学部では 「教育」「 研究」「社会貢献活動」の視点から取り組まれている先生方が複数いらっしゃいます。そこで、それらの先生方からこれまでの取り組みで得た知見を話題提供していただき、さらにその成果を手掛かりとして商学部の教員一人ひとりが自身の今後の諸活動にSDGsの視点をどう生かすことができるのかを考える機会として、今回「企業活動とSDGs:大学教育における位置づけ」とのテーマ設定の下、3名の先生(田中敬幸准教授、中嶋嘉孝准教授、日野道啓教授)を話題提供者として10月6日(金)に商学部FDワークショップを開催しました。
田中先生からは、ご自身が担当する授業「環境ビジネス論」を事例に学生たちがSDGsの17の目標はよく知っているものの160のターゲットを意識する機会が乏しいことから、気になるターゲットやその進捗状況について学びを深めるための授業運営や、食品ロスの問題をビジネスでどう解決しようとしているのかについて、日本や海外の取り組みをご紹介いただきました。
中嶋先生からは、ゼミ活動における地域活性化プロジェクトへの参画で得た知見をもとに成功事例から学べる点はもちろんのこと、失敗事例もご紹介いただき、取り組みが継続していくためには連携協定の有無が大きいこと、さらには協力企業の撤退や非協力的な姿勢によって活動の継続が困難になるといった課題をご報告いただきました。
日野先生からは、SDGsについて企業の取り組みのなかには実証的なデータを示さずイメージのみの表層的な取り組みが多いことや、SDGsは社会をより良くしようとする理念が高いだけに現実とのギャップが気になることからSDGsは学生の思考力を鍛える好材料であることが指摘されました。また、SDGsの先をSDGs2.0と定義した場合、SDGs2.0の内容はどうあるべきかを問うなかで、学生たちの視点・考えから学ぶなど教育効果も大きいことをご報告いただきました。
話題提供後の質疑応答では、例年以上に活発な議論が展開され、商学部の先生方の関心の高さが感じられました。商学部では、今後も教育・研究・社会貢献活動の充実にむけてFD活動に取り組んで参ります。
(文責:海口浩芳 商学部教授・商学部FD成績評価委員長)