改革改善の取組

Improvement Reform

  • 実践教育

2021.7.12

実践的な職業教育の充実
-4年ゼミナール-

科目名 : 4年ゼミナール
テーマ : 企業におけるブランディングの実践とCSV本流化の兆し
実施日 : 2021年7月5日(月)
担当教員 : 潜道文子商学部教授
講師 : 中島広数氏 〔freebee株式会社 代表取締役社長〕
活動内容 : 講義では、まず、ゲストスピーカーの中島広数氏ご自身の、味の素株式会社における業務のご経験を通じた、国内外でのマーケティング活動における成功の秘訣などについてお話しいただきました。CSV(共通価値の創造)については、「CSV経営とは、世のため、人のためになる価値を世の中に提供していき、社会と共生すること」と定義され、ご自身が商品のマーケティングをされる際にもそのことを念頭に置き、社会的価値の創造と、結果として、経済的価値の創造をも実現するように心がけていらっしゃるという、中島さんの仕事における信念を伺いました。また、愛され続ける商品・サービスを提供するためには、①顧客に受け入れられ、②実感され、③選ばれ続ける価値を創造することが必要であり、それがマーケッターの役割だそうです。しかし、その役割を果たしつつ、利益を作り出すということは至難の業であるという、マーケッターとしての仕事の難しさについても言及がありました。
さらに、マーケティングにおいては、顧客の知覚構造や購買行動、潜在市場規模、消費行動の推移などの把握が重要だそうですが、加えて、近年、注目されるESG(環境、社会、ガバナンス)に関連して最新のESG経営の事例を取り上げ、プロジェクトを社会的なナラティブ(物語)としてとらえること、および様々なプレーヤーを巻き込んだ協創型事業活動の重要性についてのご説明もいただきました。
キャリアについては、就職先の選択の際には「その組織で、将来、あなたがやりたい事が実現できそうか」、「その組織では、将来、自分が身につけたいスキルが身につきそうか」ということを考えたほうがよいというアドバイスを頂戴しました。また、「起業するために大企業を辞めたときは、不安はなかったのですか?」という学生からの質問に対しては、「多少、不安はあったが、それは短期間であって、ワクワク感や「どうにかなるさ」という想いのほうが強かったです」というご回答がありました。今後も、大好きな食品分野に絞って、ワクワクしながらマーケティング分野のコンサルティングの仕事を続けていきたいとおっしゃっていました。
中島さんのご講演は、マーケティングの現場での仕事の実際やCSVのあり方、そしてキャリアに対してどのように向き合うべきか、ということについて、参加者一人ひとりが貴重な気づきを得る大変よい機会となりました。

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